借金を負わされた者、メディアに繫ぎとめられた者、セキュリティに縛りつけられた者、そして代表された者
2022年3月19日
2022年7月18日
ここでの議論のポイントは、現在の社会的.政治的危機の文脈のなかで、どのような主体が生産されているのかということだ。その支配的な形態として、本書では主に四つの主体形象——借金を負わされた者、メディアに繫ぎとめられた者、セキュリティに縛りつけられた者、そして代表された者--を取り上げる。これらの主体形象はどれも貧弱なものにされてしまっており、これらがもつ社会的な行動力は隠蔽され、ごまかされてしまっている。
叛乱と叛逆の運動は、先にあげた四つの主体形象を苦しめている抑圧体制を拒絶するための手段となっている。しかしそれだけでなく、私たちはこれらの運動がまた、四つの主体形象を〔構成的〕権力の形象へと反転させるための手段ともなっていると考えている。
「叛逆」 マルチチュードの民主主義宣言 (NHKブックス) 2013
ネグリ、ハート 水嶋一憲、清水和子訳 p19
ネグリとハートの言説は全くその通りなのだが、重要なのは、これを読むことが「特異性」の発現ではない、という事だ。
日本語にとっては、決定的に、特異性としての「我々」が欠けている。
ー記事をシェアするー