これは単なるnoteです。 基本的に執筆日を投稿日として設定し、本文中にも記載しています。 コメントは受け付けていません。 ご連絡はリンク先の<「我々」という編成に向けて>のサイトからお願いします。※2020年7月、ブログ内検索を実装するためにアサブロから移転してきました。 興味ある「ことば」を検索して使ってください。

匿名性

2020年2月3日  2022年3月11日 


 われわれは匿名性をかちとる必要がありますし、ある日ついに匿名になるであろう、という巨大な推測を正当化する必要があります。

それは、古典主義時代の人達が、真理なるものをみいだしたと巨大な仮定をし、その真理にみずからの名を冠することを正当化する必要があったのと、いささか似ていますね。かって、ものを書いていた人にとっての問題は、万人の匿名性からいかにみずからをひき離すか、でした。こんにちでは問題はみずからの固有名称をうまく消し去り、語られるさまざまな言説の巨大な匿名のざわめきのなかに、みずからの声を入りこませてしまうことなのです。

 匿名であろうとすること以外に意図のないような本にたいして独自性とか個人的性格とかのしるしを多くあたえているものは、ある文体の特権的な形跡でもなければ、独自な、ないしは個人的な解釈というしるしでもなく、それはいわば消しゴムによる撃の激しさなのです。そ撃によって、しるされた個人的性格を想起させるようなものはすべて、もののみごとに消しさられるのです。

 <古い読書の傍線から>
ミシェル・フーコーインタビュー

歴史の書き方「言葉と物」をめぐって 福井憲彦 訳
1987年 「actes」 No.3 日本エディタースクール出版
 178-179より

※『ミシェル・フーコー 思考集成Ⅱ』筑摩書房 1999年p445-446 には石田英敬 訳 

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