中国での自己意識
日経ビジネスより
貼り付け元 <https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/012801048/?P=2>
新型肺炎:デマ対策に乗り出したテンセントと中国の事情
広岡 延隆 上海支局長 2020年1月28日
もともと、ウィーチャットでは中国政府にとって不利益な情報を送ろうとすると、相手に届かなかったり、アカウントが停止されたりするケースがあることが知られており、中国政府による検閲が行われているとの指摘もある。ウィーチャットは情報のやり取りはもちろん、店舗などでの支払いツールとしても存在感が大きく、中国で生きていくには必要不可欠なアプリだ。アカウント停止を避けるためにも、政治関連など不用意なメッセージのやり取りは行わないというのが、暗黙の利用ルールになっている。
このように、様々な手段を織り交ぜながら、全体として中央政府に有利なように情報を統制していくのが中国のやり方だ。
要するに、自己意識、主体を基盤とする支配、現在世界で主流になっている支配様式は、このような内部に折りたたまれた構成によって、「自ら」の行動を「自ら」が決定する「自由」、によって成立、現実化している。
対象物化した、「中国における自己意識」への分析は、直ちに「日本における自己意識」でのその「自由」による支配の分析に連結されなくてはならず、その場合に、自らが生きているこの社会、ということにおいて、対象化された分析の言説から、自ら、自己意識、主体そのものの分析に移行せざるを得ず、ある倫理、生き方の決定へと遷移せざるを得なくなる。