特定秘密法案への反対

2014/01/03

　これまでそのようなことはしたことがなかったのだが、国会議員へFAXを送り、集会に持って行くポスターを作成した。 

　法案が成立した2013年12月6日（金）日比谷野音の反対集会は満員で中には入れず、国会前も抗議の人並みにあふれていた。 
私は自作の「主権者無視の秘密保護法阻止」と書いたボードを持って参加したのだが、19時には帰らなくてはならず、永田町駅階段をそのボードをしまいながら降りていた。すると階段から1人で上がってきた私より少し年配に見える男性が、「これから集会に参加するのですが、それを下さい。」と言ってきた。 

　もちろん私はどうぞ使ってくださいと、引き継いだ。互いに名前もわからなくても戦前の日本のようにしてはならないという意思が繋がり、より強くなっていくのを感じた。温かい経験だった。 
　言葉は、その駅の階段を一歩一歩上ってきたその人のように、ゆっくりと、だが確実な歩みで、誰かとまた出会うのだ。 

　以下、衆議院 国家安全保障に関する特別委員会の委員全員に送ったFAXの内容。 
　明確に反対を表明していた議員には文言を少し替えて激励にした。

  
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特定秘密保護法案の廃案を求めます 

衆議院 国家安全保障に関する特別委員会　 
委員の皆様 
2013年11月11日 
住所：〒000-0000 0000000000　氏名：00000　TEL/FAX0000000000 

　日頃の衆議院議員としての責務、お疲れ様です。 
私は、以下の理由から特定秘密保護法案について、廃案を求めるものです。 

　既に日弁連は会長声明で法案の重大な疑問点、問題点について、以下のように指摘し、多くの法学者、マスメディア、市民も同様の観点から法案に反対しています。 
　 
①保護対象となる「特定秘密」の範囲が広範・不明確であること、 
②「特定秘密」の指定が行政機関の長により恣意的になされうること、

③指定の有効期間５年を延長し続ければ指定が恒久化すること、 
④内部告発や取材等行為についての処罰範囲が広く、厳罰に処するものであるため、表現の自由及び報道の自由や知る権利等憲法上の権利が侵害されること、 
⑤適性評価制度により重大なプライバシー侵害が生じるおそれがあること、 
⑥行政機関の長の判断で「特定秘密」を国会に対しても提出を拒むことができることになっていることにより国会の国政調査権が空洞化され、国権の最高機関性が侵されるおそれがあること、等 

　私はこのような恣意的な「秘密」指定や、国会を空洞化させたり、その「秘密」の解除が何年後と明確に区切られていない法を成立させてしまうことは国家としての脆弱性を産み、取り返しのつかない社会を招くと考え、強く廃案を求めます。 

　敗戦直後、我が国は勝者の裁きを恐れてか、多くの資料を廃棄してしまい、その結果、後刻、「そのような資料は存在しない」と他国に主張したり、また現在も外交秘密について他国で開示されているのに我が国では開示されないという事例が起きています。 

　そのような態度は歴史をごまかせると考える、不正義でずるいやり方だと他国から評価されてもやむを得ない屈辱的な事態です。様々な国家間や社会内での葛藤をしっかり見つめ、事実を見つめ、いかに平和的な解決方法を見いだすか、その主導権を握ってこそ、国家としての矜持も政治家としての喜びも得られるのではないでしょうか。 

　現在生きる我々はその一挙手一投足が歴史の中において検証されその勇気や怯え、誠実さ卑劣さが評価される存在であり、だからこそ、こどもや未来の人々に対し、我々の精一杯の思考と行動によって自らを律しなくてはならないと考えます。 

　貴職におかれましてはこの法案の数々の問題点についてご自身も十分納得し、貴職を選んだ有権者にも明確に説明でき、貴職の名において恥じることのない判断をされますようお願い申し上げます。 
今後の貴職の判断・行動に刮目しております。 

　最後までお読み頂いたことに感謝いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

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