即時、解体後捨てます
2008年11月22日
2020年7月10日
2008/11/22
コンビニの壁に貼られた掲示
敷地内無断駐輪禁止店舗利用時以外の駐輪は、即時、解体後捨てます!
怒り、対象物を消滅させる(「解体後捨てる」)という「自主性」の拡張ベクトル、全能感に満ちている。それは「即時」実現されると宣言されている。
「私」の敷地という私有制のみが「全能」の頼りであり、またそれは侵害され得るものとして「気がかり」と双対的でもある。
その二つは「私」の輪郭を構成している力動の2方向である。
それは駅近くのこの場所に自転車を止めて出勤しようとしたりする別の「私」の脈路と同一でありながら、隣接するものとして闘争を始める。
私有という条理を無化すればこの空間は使用の自由に満ちている。しかし、単に自転車置き場として自身の出勤時の利便、経済的節約などの為に使用するとき、結局空間の自由は再び「私有」の脈路に収縮し、他との比較、戦争の中に閉ざされる。
しかし、ともかくも自転車を実際に解体するのはずいぶんと手間だ。
またどこへ「捨て」ればいいのだろうか。
フランチャイズコンビニ店の忙しい御店主は壁にぶら下げてあるロープ錠で繋いでしまう現実的な対応をとっておられるのだろう。
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